ゾーンプランを考えよう!

住宅会社や設計事務所と住まいの打ち合わせをする前に、家族みんなの考えをまとめておきます。じつはこれはとても重要なことです。そして、とても難しいことでもあります。でもしっかりと方向性が決まっていれば、プロと打ち合わせをする時にも、とてもスムーズに進みます。ここでは、家族みんなで考える際のちょっとしたコツをお教えします。


いきなり間取りではなく「ゾーンプラン」を考える

プランニング01プラン全体のイメージをつかむために、ゾーンプランという部屋の配置と関係を整理することからスタートします。ゾーンプランとは、部屋のおおよその大きさ、位置と関係(つながり)、組み合わせなどを整理するために、目的別に大まかな部屋の配置を考えることです。家族の優先順位や家事の使いやすさ、家族の動線などを考慮してつくる、いわばプランのラフスケッチのようなものです。


建物の配置もゾーンプランで考える

間取りづくりのベースになるゾーンプランですが、部屋の配置とつながり方と共に大切なのが、敷地への建物の配置計画。敷地にどのような位置で家が配置されるかによって、駐車スペースや庭の広さ、玄関までのアプローチのとり方、陽射しの採り入れ方も変わります。ゾーンプランを考えるときは、建物の配置も含めて、トータルに考えておくとよいでしょう。

どんな暮らし方をしたいのかが重要

ゾーンプランニングの次は、「どんな暮らし方をしたいか」を、もう一度考えてみます

家族の望むライフスタイルを思い描くだけでも、さらに具体的な間取りのイメージが見えてくるはずです。

たとえば…「それぞれのお友達も気軽に呼べて、にぎやかに暮らしたい」というご希望の場合は、リビングとダイニングはワンルームにし、さらに隣接する和室も続き間として利用できるようにすると便利です。

反対に、ご両親様など、お泊りになられる来客が多く、「おもてなしができる家に」というご希望であれば、和室は客間として独立させた方がよいかもしれません。散らかりがちなダイニングやキッチンも、リビングから丸見えにならない分離したタイプの方が良いということになります。

このように、ライフスタイルの違いによって、同じゾーンプランでも間取りの組立て方・考え方は大きく変わってきます。ですから、「どんな暮らし方をしたいか」ということを、ご家族みなさんでよく話し合っておきましょう。

将来設計も考えて!

将来のライフスタイルの「変化」も考えましょう

間取りを組み立てる上で、もう一つとても大事なことは、将来の暮らしもある程度イメージすることです。例えば、年をとったら足腰に負担の少ない1階の寝室が便利です。すると新築時には2階を寝室にしていても、将来は寝室として利用できるスペースを一階に確保しておくのは大事なことです。

また、その場合は、その部屋からトイレなど水周りへの動線がスムーズにできるかどうかも前もって考えておく必要があります。

新築時点での希望だけを考えた間取りでは、将来思わぬ不便が生じてしまうことがあります。ご家族の成長、お子様の独立などによって起きる変化を予め予想し、10年、20年先を考えて、収納スペース・間仕切りの変更などで対応していけるのか、といったこともプランニングにおける大切な検討事項なのです。

家の中の動きは、短いほうがスムーズ

家の中を移動する家族の動き(動線)の検討

間取りのおおよそイメージできあがったら、次に人の移動経路(動線)を確認しみましょう。普段の生活で、スムーズに家族が外出支度をしたり、家事を手伝ったりできるかという、大切なポイントです。

移動する距離は「なるべく短く」を基本に検討します

料理をしながら並行して洗濯機も回す、というのはよくあること。そんな時は、キッチンと洗濯機置場が離れた場所に配置されていたら、不便になります。

また、洗濯機から洗濯干し場(勝手口やバルコニー)への移動距離もできるだけ短くしたいものです。

特に、洗った後の濡れている衣類の入った重い洗濯カゴを、長い距離を持って歩くのは、とても大変です。他にも、1日に何度も移動がある行動は、より短い動線で行き来できるようにしたいものです。それぞれの居室、特にお年寄りの寝室からトイレまでの移動が、不便を感じるものではいけません。

動線の種類って?

動線の種類を把握して計画しましょう

主な動線は
 (1)炊事や洗濯、掃除などの「家事動線」
 (2)家族が居室からトイレ、お風呂などへ移動する「生活動線」
 (3)お客様が移動する「来客動線」

暮らしやすさを考え、この3つの動線がなるべく交わらないことが大事です。特に「来客動線」が他の動線と交差しないようにすることは、ご家族のプライバシーを考える上でも大切なことなのです。

例)玄関から客間(リビング)などへ行き来する動線上に、浴室や洗面所など家族ための空間を配置しない。来客中は使いづらく、出入りのタイミングを誤ると、お互いに気まずい思いをしてしまいます。すべての動線がスムーズにはなかなかいかないものですが、その優先順位を家族で話し合うのも楽しい作業のひとつです。

やっぱり収納は大事!

収納の計画は十分に

いくら準備してもあふれて、増えていくモノの数々。効率よく収納して気持ちよく生活できるように、プランニングの段階で計画を立てておきましょう。

一般的に言われる収納面積の目安は、延床面積の10%ぐらい。余裕をもって収納するには15%以上あると望ましいと言われています。

しかし、いくら収納量を確保しモノがきちんと納まるというだけでは、私たちの暮らしに充分とはいえないのではないでしょうか。

適材適所の収納「ここにあったら便利!」を意識しましょう

多くのモノや日用品と上手にしまうには、収納の「使い勝手のよさ」を考えることが大切です。暮らしの中で必要な場所や、ここにこれがあれば便利という場所に適材適所の収納を計画しましょう。

例)家族が多く食料品を買い置きすることの多いご家庭は、食品庫をキッチンの近くにつくると便利。お歳暮やお中元などのいただきものや、ビールをケースごと保管でき、さらに漬物や梅酒づくりなどの楽しみも広がります。

もし、食品庫を設けるゆとりがない場合には、床下収納庫や、キッチンに近い廊下の壁面などを上手に利用するとよいでしょう。

また、スポーツやアウトドアが趣味のご家族は、玄関横に靴を履いたまま出入りできる納戸があると便利です。

床よりも低い位置の土間から、天井までの高さがめいっぱい使えるので、サーフボードや釣り竿など長さのある道具も立て掛けることが可能で、多少汚れてしまったものでも、そのまま収納できます。

収納上手になりましょう!

見せる収納と隠す収納を上手に計画しましょう

頻繁に利用するようなモノはさっと取り出せるようにし、奥の方にしまい込みたくない品も意外と多いものです。そこで、そんなモノは「見せる収納」がベター。

例)見渡せる棚の収納を居室の壁面につくるととても便利。棚を組み合わせて天井の高さまで空間を利用できるので、眺めていたい思い出の品や、普段の小物も無理なく並べることもできます。

また、この考え方は、納戸などの「隠す収納」にも、利用すべきです。

しまうモノの種類ごとに棚を設け、どこに何があるか一目でわかるようにすればスペースに無駄がなく、出し入れが楽になります。

人気のウォークイン・クロゼットは夏服用・冬服用二段のハンガーパイプにすれば、しまい込むことなく上下の入れ替えだけで衣替えも簡単になります。

収納のポイントはどれだけしまえるかという量ではなく、どこに何をしまったかがわかり、取り出したり入れ替えたりが簡単にできるということ。まずそれを考えて収納を計画しましょう。